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穏やかな口調で続けていたアイリスはそこで一度言葉を区切り、その後に魔王に相応しい凄絶な笑みを浮かべながら口を開いた。
「……生き永らえた事を後悔させてあげるからそのつもりでいてね」
「……こ、心に刻んでおきますわ」
「……あ、安心して欲しい、ミリアリア殿は戦友だ、そ、そんな選択をするつもりは毛頭無い」
アイリスの凄絶な笑みと冷たい言葉を受けたアイリーンとミランダは背筋を凍らせかけながら答え、それを聞いたアイリスは穏やかな表情になりながら言葉を続けた。
「懸命な判断をしてくれたみたいで助かるわ、出来たばかりのダンジョンでまだ食料も分捕った携行食しか無いけど取りあえず方針が決まるまでゆっくりして頂戴」
アイリスは穏やかな口調で告げ、その言葉を受けたミランダ達とアイリーン達は先程の凄絶な笑みと冷たい言葉に顔を引きつらせかけながらも深々と頭を垂れてアイリスの好意に対する謝意を示した。
絶望の監獄と化していた残党狩部隊本隊の陣営からの脱出に成功した虜囚の女エルフ達と娼奴隷に堕ちた狐人族の皇女と主従、魔王アイリスは救出した彼女達と会談し、彼女達に暫しの安寧を約した……
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