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ー鏡を見よう。
手足、胴体など目に入る部分を見て、自分の身体が金属になっていることはわかった。しかし、顔はどうなのだろう。
鏡を見ればわかることだ。どうせ夢なら、ちゃんと細かいところまで確認しておいて話のネタにでもしよう。軽い気持ちでベッドから降りてみた。
難しいな。
人間って便利なんだ。金属の関節はゆっくりしか動かず、床に両足をしっかりくっつけて態勢を固定しないと立ち上がることもできない。妙に細部までよくできた夢だ。
ようやく立ち上がり、洗面所をまっすぐ進む。床に段差がなくてよかったけど、リビングのドアを開けるのに大分苦戦した。ドアノブを掴む動作、回す動作は思ってたようかなり難しい。もうやりたくないのでドアは開け放しにしておいた。
あと1m進んで右を向けば洗面所、というところで急に怖くなってきた。
これ、夢じゃなかったら?
もし現実だったら、わたしじゃなくなった姿を確認して正気でいられるだろうか。
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