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閑話休題
***
感情ってなんてめんどくさいんだろう。
好きでもない同級生と囲む給食、他人の悪口を言って盛り上がる女子の集団、家に帰れば空々しい家族との会話。嫉妬、猜疑心、功名心を腹に隠してマウントを取り合う学校社会にはうんざりだったし、見かけ上『理想の家族』を演じようとする我が家もうっとおしかった。社会人になって家を出ても結局は同僚との腹の探り合い、先輩からのいじめを受ける日々で、小学校の頃からやってることが変わらないと思うと全てがあほくさかった。
感情なんてなければいいのに。
感情がなければ利己心や虚栄心がなくなり、他人に嫉妬したり他人より抜きんでたいと思ったりしなくなり、面倒ごとはほとんど減るのじゃないだろうか。他人の感情に当てられるのもそれは厭な気分だけど、本当は自分の感情が一番うっとおしかった。他人の気持ちや評価にいちいちビクビクして、自意識過剰に陥りそんな自分を嫌悪するという悪循環。感情さえなければ、このわずらわしさはどれほど消えるだろうか。もし感情を一切失くすことができるスイッチがあったら、きっとわたしは押してしまうだろう。
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