閑話休題

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休日に何の用もないがショッピングモールをうろついていたとき、『それ』が目に留まった。 某携帯会社が売り出した人型のロボット。子どもほどの背丈で、いかにもロボットという白いつるりとした造形はありきたりだが、大きな目が可愛いといえなくもないがちょっと怖いと感じさせて特徴的だと思っていた。 例えば、あのロボットに自分の意識だけ移せたらどうだろう。少し夢想してみる。もし疲れない、お腹もすかない、容姿に悩むこともないロボットになったら、楽なんじゃないだろうか。ストレスで不眠になったり暴飲暴食で太ることはないし、面倒な化粧もしなくていい。服がいらないから洗濯もしなくていい。何より、容姿や体型、年齢などを気にする必要が全くなくなる。そうなればつまらない虚栄心によって肩ひじ張ることもなくなり、感情のコントロールはとても簡単になるだろう。 ーいいな。 想像したらなんだか羨ましくなってしまった。もし自分だけでなく誰もがロボットに意識を移したなら、コンプレックスなどないようなものじゃないか。そもそも容姿にも身体能力にも差はないのだから。精神だけが重要になり、生まれ持った肉体の格差はなくなる。 いいアイディアだと思うけれど、他の人は思わないだろうな。苦笑してその場を立ち去った。
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