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新年早々、出掛けた。 行先は………まさかの廃墟
「じゃ、改めてあけましておめでとうーいえー」
「おめでとーいえーって……なんで廃墟?!」
「なんか初詣だとつまんないかなー?と思ったから
。 あ、お化けは大丈夫! 友達が出ないってドヤってたから!」
(余計心配なんだよなあ……)
「ねーしのちゃん知ってる?」
「なーにー?実琴」
「吐いた白い息はやがて雲になって、雨になって世界の裏側と繋がるんだって」
「なにそれー?」
「しのちゃんが世界の裏側に行っちゃっても、繋がってるってことーかな?」
「あら、すてき」
その時、どこからか拍手が!
「今……明らかに人の居ないところから拍手聞こえなかった?」
「ねー。 恥ずかしがりやさんなんだねー」
実琴は小さく笑った。 多分、初笑いに当たるのかもしれない。 仕方なく、私も笑った。しかし
「わ、笑い声が……?!」
「なんにもないところからー?」
震えるその年、初めであった
(おしまい)
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