よんこまみたいななにか

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歳が明けてから数日後、実琴は熱を出した 「全く……裸で二日も寝るから」 「ごめ…………」 シンプルに風邪なので、まあ寝てれば治るのだがなんだか心配な私は看病に来ていた 「ん……えふっ」 「ああ、無理して喋るな喋るな。で、なんか食べたい?」 持ってきた袋の中から幾つか取り出して、実琴に見せる。指差したのはプリンだった 「えっふ….…ふっ……おいし……」 「ゆっくり食べてね」 「はい………はん…ぶん」 「いや、いいよ~食べなよ~」 半分ぐらい食べた所で、私にプリンを渡した 「しょうがないな~全く………」 プリン……おいしい…はむはむ……… 「よかっ………た…」 「実琴….…?」 「寝た……?」 そう言えば枕元に林檎が丸々一個置いてあるのはなんなんだろう? まさか……そのまま食べるとかじゃないよね 「う……り、りん……たべ…る」 あ!こらっ!そのまま齧るな!年頃の女の子が! 「かじ…る…られない……うぎぎ…」 あら?抵抗してる? 「き、強制的に……すりお…ろしに…」 そのまますりおろし始めた?しかし、おろし金なんていつの間に 「くっ………あっ」 ふらふら歩いて?て?え? 「ん……?このにおい……しのちゃん?」 「ちょっと…抱きつかないで…むぐっ」 「ら、らっきー」 実琴?一人で握手なんかしてどうした?の…… 「あた…」 「もういい、もういいから。寝て。お願いだから寝て」 「あたたかい…しのちゃん…」 「な……」 「す……」 実琴は倒れる様に寝た。 いきなり抱き着かれるとは予想外だな………しかし 案外悪くないもんだ。 ぎゅっーてのは (おわり)
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