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俺はミサキがこの裏道を見つけて、ここまで来た顛末を話す。その間ミサキは車内から降りず、俺達のことをじっと見つめていた。
「この車、お前の? いやー、派手にやらかしたな」
「あ、あぁ……ちょっとぶつけて、さ」
「ちょっとどころじゃないだろ、普通だったら即死だぞこれ。よくぴんぴんしてるな」
「そうだな、即死、だろうな……そうだ。お前さ、ちょうど良いから車乗せてってよ。市街でもいいからさ、途方にくれてたんだわ」
「おぉ、そりゃもちろん。JAFや警察には電話したのか?」
「自分の携帯確認してみろよ。この山道はずっと圏外のままだぜ」
本当だ、と俺は自分の携帯に「圏外」の表示が出ていることを確認した。
「流石田舎だな。千引山の道くらいまでは通じていた気がするんだが……」
「とりあえず乗せてくれよ。で、さっさと元の道に戻ろう。この先は行きどまりだ。行ったって何もない」
「お、流石地元民。オーケー、それならミサキも納得するだろ」
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