三者会談

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「実際歴代皇帝には人間の皇帝が多いが人族の4候国も何かと対立する事が多くてな、亜人族の選帝候国の存在を無視する事は難しくバランスは均衡していたんだ、少なくとも10年前まではな……」 「何かあったの?」 ミリアリアの説明を聞いていたアイリスはミランダに視線を向けながらミリアリアの説明の最後にあった思わせ振りな単語に関して問いかけ、ミランダは小さく頷いた後に説明を始めた。 「皇帝選出権を持たない候国が5つあると言いましたが10年前は候国は7つあったのです。マーメイド族の国ノルティック候国とハーピー族の国ルフトラント候国、この2つの候国がロジナ候国に滅ぼされたのです、両国が連邦瓦解を狙っているという主張の下侵攻したロジナ候国は両国を占領して領土に組み込み、それによってロジナ候国は発言力を増したのです、元々極端な人間至上主義を国是とするロジナ候国は同様の国是を持つロンゴバルト候国と強固な関係を結んでおり、ゴルティック候国でもこの事態に勢いずいた親ロジナ候国の派閥が優勢となりそれに加わりました」 「……ノルティック候国はリステバルス皇国とも関係が深くその折には多くのマーメイドが我が国に避難してまいりました、国主のローザ女侯爵様と御令嬢のナタリア様は捕らえられローザ様は獄死され、ナタリア様は現在行方知れず、どの様な目にあったのかは、私(わたくし)が申さずともお分かりでしょう」 ミランダが説明していりとアイリーンも暗い表情でそれに加わり、それを聞いていたアイリスがげんなりとした表情を浮かべているとクラリスが厳しい表情で口を開く。 「ルフトラント候国は激しい抵抗を続けましたが衆寡敵せず滅亡、国主アンヌ女侯爵様は戦死、5人いた御令嬢の内4人も戦死若しくは獄死され末娘のリリアン様のみが脱出したとの事ですが行方知れずとなっています、獄死された御令嬢方がどの様な目にあったのか、想像したくもありません」 「ホントに碌な事してないのねあの屑どもって」 クラリスが厳しい表情と共に告げた説明を聞いたアイリスは更にげんなりとした表情でミリアリアに話しかけ、ミリアリアは渋面を作って頷きながら口を開いた。
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