三者会談

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「聞けば聞く程頭が痛くなる話ね、でも、その話を聞けば聞く程心配になってくるわね、ラステンブルク伯国ってそんな情勢でヴァイスブルク伯国の支援なんかして大丈夫なの?」 「……その事についてなのですが、1つ宜しいでしょうか?」 アイリスが呟いているとクラリスが厳しい表情で発言を求め、アイリスが頷く事でそれを促すと言い難そうに言葉を続けた。 「私達はアイリーン様と共に娼奴隷として数えるのも面倒な程多くの輩の相手をさせられました、その中の何人かはラステンブルク伯国の人間だと思われます」 「……なん、だと」 クラリスの発言を受けたミランダは顔色を変えながら呟き、アイリスとミリアリアが目配せを交わす中、クラリスは厳しい表情のまま言葉を続けた。 「数人がかりで私を嬲り尽くした屑どもはこう言っていました、「今ごろ隊長は皇女様と宜しくやっているだろうな」「ああ、狐人族も良いが今度はエルフの連中だから楽しみだな」「友好国の俺らに裏切られて絶望した奴らの顔が見物だぜ」と言っていました、ミランダ殿、黙っていて申し訳ありません、あの状況下で貴女達にこの事を告げたら貴女達は完全に心をへし折られてしまうと思ったのです」 「……そうだったのですか……クラリス殿、御配慮感謝致します」 クラリスは陵辱の合間に聞いた会話を伝えた後にミランダに謝罪し、唖然としていたミランダは我に帰るとクラリスにの配慮に対して謝意を伝えた後に唇を噛み締め、無言でその様子を見ていたアイリスはゆっくりと口を開く。 「当面の目標が決まったわね」 アイリスの言葉を受けた一同は視線をアイリスに集中させ、アイリスはその視線を受け止めながらダンジョン周辺の地図を表示させた。 アイリスが表示させた地図上にはラステンブルク伯国へと移動する緑の光点が5つあり、それを確認したミリアリアは思わず立ち上がりながら口を開く。 「この光点はっ!?」 「……使い魔達が発見したヴァイスブルク伯国の残党よ、エルフが4人にダークエルフが1人、全員が女性でバラバラになってラステンブルク伯国に向かっているわ」 「そうかっまだ生き残りがいたのか」
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