0人が本棚に入れています
本棚に追加
テーブルゲーム麻雀
明るめな緑色のフェルト生地が貼られた正方形の天板に、樹脂製の白い直方体が並べられている。中央のものは伏せて重ねられ、手前のものは立てられている。間のものは表にして倒されているが、そこには漢字や独特なイラストが描かれている。
――そう、麻雀卓である。
一面に座る女子高生が、手牌を三枚ずつに区切って数えている。正面の真面目そうな中年男性と、向かって左側の顔だけはいい中年男性、隣の卓から覗く店長の女性が、緊張した面持ちで見守っている。向かって右側の女子高生は待ち切れず、取り出したスマホの画面を触っている。
「これ、上がりじゃないですか」
確認し終えた少女が、手牌を倒した。
左側の男が即座に点数を計算する。フリーのゲーム代が四回分で二千四百円になる計算はできないが、この時だけは正確で早い。
萬子(マンズ)の順子(シュンツ)。索子(ソーズ)の順子。白(ハク)の刻子(コーツ)――幸い役は付いており安心する。引いた牌によって、もう一つの萬子の順子が完成している。雀の涙の三十符一翻。残念ながらドラは乗っていないが、上がったことは評価されるべきである。
「白のみだけど、やるじゃないっスか!」
最初のコメントを投稿しよう!