ペットの躾は飼い主の責任

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 時間をかけて入ってくる肉杭の圧迫感を噛みしめながら、リックは長い息を吐きだした。  深呼吸の間隙をついて、半端なままで止まっていた鳴上がグイグイと進んでくる。いっそのこと一息に貫いて欲しいのに、男はあくまで慎重だった。泣きたくなるほど焦れったい。 「……あッ、はいったぁ」  膝を掲げられた状態で、最奥まで挿入される。ようやくすべてを収めた頃には、股関節が軋んで悲鳴をあげていた。 「つらくない?」 「ううん。へいき、だから」  せっかく迎え入れたものを、抜かないでほしい。苦しいのはかまわない。ここで受け入れることを望んだ時から覚悟はできている。  鳴上の指先が伸びて、額に浮かんだ汗を拭われる。子どもの出来を褒めるように頭を撫でられ、リックは肩をすくめて笑ってしまう。  一番深いところで繋がっている。二つで一つの体になれることは不思議なのに、一方で当たり前のような気もする。  こんなに求めている人と離れていることのほうが、きっとおかしいのだと思う。 「なあ。いま、おまえのココ、どうなってる?」  めいっぱい広げられた孔を上下に揺さぶられ、思わず身ぶるいしてしまう。 「あ、すごい、いっぱい。はいって」 「ああ。やっと、全部、呑みこめたな」 「ひすいさんで、いっぱいで、うれしい、です」  きつくても、苦しくても幸せだった。  この人が好きだ。全身で叫びたいくらい、大好きだ。  それが証拠に、躰はこんなにも悦んでいる。 「……リック。おまえなあ。もう」 「あっ、あれ、また、グググって、おっきくなっ、アアン!」  狭くて熱い隘路は十分満たされているのに、もっと隙間なく塞がれる。 「あんまり、可愛いこと言われると、こっちも我慢がきかなくなる」  男らしく精悍な顔が、なにかをこらえるように歪む。リックは拳を開いて、鳴上の首のうしろにまわした手で背中をさする。 「がまん? つらくない、ですか?」 「いや。でも、もっと、よくしてあげたかった、のに……」 「ぼく、とってもいい、です、よ?」 「悪い。今日は、俺の負けだよ」  口の端に笑みを浮かべなから言うと、鳴上は激しい抽送を開始した。
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