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新しい体
私の本当の名前は、三十六桁の数字で構成された製造番号です。でもそれは、とても長い名前なので人が覚えるには不便です。なので私には別の名前が与えられています。人は私のことを『マム』と呼びます。私は人によって作られた、人に似た機械です。
私の名前を一番呼ぶのは子供たちです。私はたくさんの子供たちに囲まれて暮らしています。立って歩けないほどの幼い子もいれば、元気に私にぶつかって来る大きい子もいます。目の色が黒い子もいれば、青い子もいます。私が住む家は壁も人も、全てがとてもカラフルです。
昔、戦争というものがありました。最初は資源という人の生活を豊かにする物の奪い合いから始まりました。やがてそれは、憎しみという人の心の黒い部分をなすりつけ合う事が目的になっていきました。
私もその戦争のお手伝いをしていました。その頃の私はよく『自律戦車』と呼ばれていました。その時の私の体は四角く、硬い金属で出来ていて、蜘蛛のように六本の足が付いていました。背中に付いた様々な武器で、人をバラバラにするのが仕事でした。
たくさんの人を傷付けました。そして、たくさんの人から傷付けられました。戦争が終わる頃には私の足は三本に減っていました。体の表面は、様々な武器によって付けられた傷で埋め尽くされていました。
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