時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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男は再び遼クンに視線を向けた。 「あ、遼クンはもう行って。 会社に行かなきゃなんだから」 「だけど・・・」 見た感じ、不審者にも見えないし 飛羽の名前を知ってると言うことは 兄貴の知り合いだろう。 だから遼クンを帰らせようとするが 本人がまだ男を警戒している様子。 「大丈夫だよ」 「そうか?あ、そうだそうだ。 妹の蘭が連絡を欲しがってたぞ」 「ああ了解。 一緒に買い物に行く予定だったんだ」 「じゃあ、連絡してやってくれな。 それじゃあ、失礼します」 飛羽に手を挙げたあと、 最後は男に向かって軽く頭を下げてから 遼クンが男の横を通り抜けて行った。 返事もしないで後ろ姿を見送っている男と 飛羽も男越しに遼クンを見送った。
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