時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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4階のフロアで一緒に降りると 泊るお部屋もお隣同士。 飛羽はこのまま曽根さんの部屋へ・・・ なんて行くはずもなく 「オヤスミなさーい」と 元気に別れて自分の部屋に入った。 「ちぇっ、ユニットバスか」 部屋に入ってすぐに風呂場に向かうと 生憎、この部屋は浴槽がない。 しかも狭いユニットバスだった。 さっきチラッと確認したけど 常務のお部屋はバスタブがあった。 ちょっとお風呂に入らせてもらえないかな。 本気で常務にお願いしようか悩んだ。 実行に移す前に飛羽の携帯が鳴った。 電話がかかって来なかったら・・・ 「もしもーし」 『時東クンか?中丸だ』 「お疲れ様です、課長。 まだお仕事ですか?」 『いや、自宅からだ』 「ほぇー・・・。お疲れ様ですねぇ」 自宅に帰っても仕事のことを考えてるなんて 秘書の鏡みたいな人だ。
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