時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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『アイツ、けがの手当てだって きちんとしてもらってないだろうし。 傷が悪化して部屋の中で倒れてたらどうする!』 けが人だから気遣えと言う正当性を訴えるが 「平気ですよ。ピンピンしてましたし。 エビだってアホほど食べてましたもん」 飛羽だって負けてない。 もうすっかりと仕事モードは抜けてんだ。 この部屋から1歩たりとも出たくない。 『エビだかかにだかどうでもいいっ! 曽根に連絡が終わらないと 俺が寝られねえんだから、早くしろっ!』 『あなたぁ~ん。まぁだぁ~?』 「・・・・・・・・・・」 飛羽赤ずきんを曽根オオカミの檻の中に 放り込む理由が、それかよ。 それよりも・・・ 「ちょっと今の声、だれですか? 峰さんちの不二子ちゃん?」 『だだだだだでででもいい!』 「なにどもってんですか、あはは」 普段の冷静沈着な課長じゃない。 プライベートの空間にいる中丸信也の姿だ。
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