時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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何度か心配そうに こっちを振り返る遼クンだったけど 角を曲がって姿が見えなくなった。 「えっと・・・・どちら様で?」 いつまでも通りを見ている男に 飛羽は同じ質問を繰り返すと 「俺だ。東条(とうじょう)柊理(しゅり)」 「・・・・・・柊理?」 ブスッとした顔で自己紹介されると その名前にも聞き覚えがあった。 「柊理って・・・・たしか小学校の時に 兄貴とすごく仲の良かった・・・」 「そう。その柊理。 中学に入る時にアメリカに引っ越してった その柊理だよ」 「うそ!柊理なの?本当に?」 思い出した。 小学校のサッカーチームで 兄貴といいコンビだった、柊理だ。 「飛鳥のこと、聞いた。 朝も来たんだけど」 「ああ、あのチャイムは柊理だったんだ。 ゴメン。疲れてて起きれなかったんだ。 まあ入ってよ」 相手がわかれば 警戒も解いて柊理を家の中に招き入れた。
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