時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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借りていた会議室を出て来ると 飛羽は常務にお願いを申し出た。 「ちょっとお店の中を見てきていいですか?」 「ああいいよ。俺も行こうかな。 娘になにか買ってってやろう」 「行きましょ行きましょ!」 飛羽は常務の腕を組んで バックヤードから店の中へと向かうと 「こら!常務になんてことを!」 曽根さんもあとから怒ってついて来た。 奥から店内へと入ると まず最初に明るさで目がチカチカした。 腕を組んだまま常務と一緒に立ち止まると 後を追いかけて来た曽根さんに追突された。 「も、申し訳ありません常務!」 「ちょっとー。私にはぁ?」 「お前はいいっ!」 同じように追突されてつんのめったし 地味に痛かったのに。 常務にしか謝らない曽根さん。 こんにゃろう! 頭に来たから何か奢らせてやろう。
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