時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「スパイス入りのオリーブオイルか?」 「え?・・・・あ、そうです」 適当に指した棚はオイルが並んでいた。 その中の1つのレモン入りのオリーブオイルを 飛羽は指で示していたようだ。 「ほぉ。これはうちにはないものだな」 「あ、常務見てください。 これって蓋を回すと注ぎ口が出てきますよ」 「本当だ。これなら液だれしませんね」 「なんだよ。知ってて勧めたんじゃねえのか?」 「私が料理すると思います?」 「愚問だったな」 「あはは。キミらは本当に面白いね。 楽しそうで羨ましいよ」 「・・・・・・・」 「・・・・・・・」 普通の会話なのに 常務には楽しそうに見えてるようだ。 常務の方こそ楽しそうなお顔で いろんな種類のスパイス入りのオイルを手に取り どれが喜びそうか吟味していた。
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