時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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リビングに入ると 柊理はまっすぐに祭壇の前に座り 黙って兄貴の遺影を見つめていた。 心の中で 久しぶりの再会をしているのだろう。 邪魔しては悪いと思い 飛羽はカウンターを挟んだキッチンに入った。 ここのところお客が大勢だったから 納戸から湯呑を出してしまってもいない。 お盆の上で逆さまに置かれてる1つを取り 電気ケトルでお湯を沸かすと 「はい、お茶でいい? お茶しかないんだけど」 「ああ、悪いな」 ダイニングテーブルの上にお茶を置き リビングに向かって声をかけると 祭壇前の座布団を元に戻してから 柊理もテーブルに近づき、席に着いた。 飛羽も自分の湯呑にお茶を淹れると 柊理の正面の席に腰を下ろし マジマジと柊理の顔を見つめた。
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