時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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自分で鍵を開けて家の中に入ると 中に誰もいないってことが冷気で感じられた。 家の中が冷えてる。 ずっと誰もいなかった証拠だ。 飛羽が出張に出て行ってからなのか 今日出て行ったのか。 どっちにしても この家に柊理がいないことがわかった。 ゴロゴロと乱暴にスーツケースを引き摺って 厨房に行ってもリビングに行っても お風呂場にも庭にも柊理の姿が見えない。 天井を見上げて2階に視線を向けると 荷物を放り投げて階段を駆け上がった。 自分の部屋を素通りし 隣の兄貴の部屋の扉を開けると 「・・・・・・・・・」 中はキレイに片付けられている。 元々柊理の荷物が少なかった。 兄貴の物を使うから必要なかったらしいが 出て行ったのかの判別が難しい。
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