時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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誰もいなかったはずなのに 飛羽の後ろから懐かしいと感じる声が。 驚いて振り返った先にいたのは 間違いなく 出て行ったとばかり思っていた柊理だ。 「柊理・・・・・」 「お前は独りじゃないだろ?」 飛羽に優しく話しかけながら ラグの上でへたり込む飛羽に近づき 「俺はここにいるんだ。 お前を独りにはしないから、安心しろ」 大きな体で飛羽をふわりと抱きしめる。 「・・・・・・・・」 どうしてここに? 彼女の元に帰ったんじゃないの? 出て行ったんじゃないの? 訊きたいことは色々とあるはずなのに 口から言葉が出てこないが 「柊ぅ理ぃー」 問う代わりに柊理に自分からも抱き着いた。
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