時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「寒くなったからヒーター出そうとしたんだ。 運んでる時にグキッてな。 柊理が訪ねて来てくれてよかったよ」 「前にやったときもそうだったじゃん。 重いものを持ってる時にグキッて。 気を付けなきゃダメだよ」 「一度やっちゃうとダメだってな。 癖になっちゃうんだってよ」 やれやれ、てズミ婆が困ったように息を吐いた。 「婆さん、メシができたぞ。 起きられるか?」 家から持って来た料理をお盆に載せて 柊理が戻って来た。 今日のメニューは出かける前に下ごしらえした エビドリア。 飛羽が風呂に入ってる間にトースターで焼き ホットサラダも一緒に作ってくれた。 「ほぉー。グラタンみたいだな」 「似たようなもんだよ。 中にメシが入ってんだ。 メシとおかずが一緒になったと思えばいいよ」 「ほおほお、便利な食べ物じゃな」 「・・・・・・・・そうなのか?」 シェフのくせして説明が下手だな。
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