時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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ズミ婆が食事をするのを飛羽が手伝い 柊理はズミ婆の洗濯物を干している。 「飛羽もいい旦那を貰ったな」 「やめてよ。私の旦那じゃないよ。 兄貴の親友だったんだ。 兄貴の代りに店を継ぎたいんだって」 「ほぉ?そうなのか?」 ズミ婆の自分よがりな思い違いを訂正するけど 信用していないような気がする。 「婆は飛羽と柊理が一緒になってくれたら 安心して爺さんのいる世界に行けるんだがな」 「ズミ婆はまだ元気だよ。 私の花嫁衣裳を見てくんなきゃ嫌だかんね」 「お前のかぁ?あと何年くらいだ? 婆はせいぜい10年くらいしか待てねえど?」 「10年も待っててくれれば十分だよ」 いったい何歳まで生きるつもりだ? 10年も生きてれば嫁にも行けるよ・・・たぶん。 自信がないけど。
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