時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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飛羽! 柊理の横を通り過ぎる時 名前を呼ばれて手を伸ばされた。 腕をかすったけど つかまれる前に廊下に出て 足音もうるさく階段を駆け下りた。 出張に履いて行ったパンプスを履き 柊理が下りてくる前に慌てて外に出た。 まだいつもの出勤の時間よりも早い。 ご飯だって食べられた時間だけど 今は柊理の顔を見られない。 飛羽の顔も見られたくなかった。 柊理・・・気が付いちゃったかな。 昨夜は自分の部屋に戻ってから 声を殺して泣きじゃくった。 柊理が隣りの兄貴の部屋に戻ってきたのも 飛羽は気が付いていた。 飛羽がトイレを出てからだいぶ経ってた。 ずっと・・・・・2人でいたんだ。 今の飛羽の心境の意味を知ってる。 これは・・・・・・・・・嫉妬だ。
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