時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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次々と社員が出勤してきたことで 話しも途中で飛羽は受付を離れた。 途中でトイレに寄って化粧を済ませると 鏡の前で頬を1つ強めに叩いた。 「よし!仕事だっ!」 自分に喝を入れて気分を入れ替えた。 悩んでいたってここは会社だ。 仕事をしないと。 生活費を自分で稼がないと。 もう、飛羽は独りなんだから。 「おはようござまーす」 「おはよう時東クン。 出張、ご苦労さんだったね」 秘書室に入ると、課長はすでに仕事をしている。 「課長もひとりでお疲れ様でした」 「キミがいないとメシが大変だな」 「4日間ともお弁当ですか?」 「ああ。それも出勤途中で買ったやつだ。 レンジもないから冷たいまま食ったぞ」 「あはは。味気ないですねぇ」 課長と世間話のようなお喋りをしながら 自分の気持ちを仕事モードに切り替えた。
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