時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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顔を見られたくなくて 自分の机の上を片付けるふりをして会話した。 化粧してから気が付いたけど 目の周りが腫れぼったいのが隠せてない。 ジックリと顔を見られたらバレるくらい。 だから課長の顔も見られなかった。 課長は気が付いたのかいないのか。 おそらく異変に気が付いたとしても 大人の対応でスルーしてくれたのだろう。 飛羽だってお年頃の女の子。 セクハラだと思われたくなかったのかも。 仕事が始まればいつものことで 課長は秘書室を出たり入ったり。 忙しくなれば飛羽に構っていられない。 それでいい。 今はだれにも何も言われたくない。 自分でも気が付いたばかりだ。 なら、この気持ちも気のせいだと 勘違いだと思い込ませよう。
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