時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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兄貴と飛羽は歳が離れていて 7歳の差がある。 飛羽が24歳ということは 兄貴と同い年の柊理は31歳となる。 「柊理は31歳の割には・・・・」 「なんだよ。最後まで言えよ」 口に出すのも悪いか、と濁したのに 本人にせっつかれた。 言われることがわかったんだろう。 だと言うことは言われ慣れてるんだな。 「はは。まあ気にするな。 兄貴も似たようなもんだったし」 親友というものは似るもんだな。 兄貴も30代だって言うのに お客には飛羽の父親とみられる時があった。 本人が気にしていたのを思い出し 柊理には言うのを自粛してあげた。 とうの柊理は今度は客間を見ている。 丁度柊理の席から仏壇が見えるはず。 「親父さん、いつだったんだ?」 「ああ。父さんは3年前に脳梗塞でね。 うちの男共が短命なのは宿命みたいだね」 父親も50代でこの世を去った。 兄貴なんて30代だし。 飛羽は女で良かったよ。
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