時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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柊理が外国に引っ越して行ったのは たしか・・・・ 遠い記憶を引っ張り出そうとしたが 如何せん、飛羽は小さすぎた。 記憶自体、脳内で薄れちゃってる。 だから本人にじかに訊いた方が早い。 「柊理はなんで引っ越したの?」 「あの時、お袋が再婚したんだよ。 相手が外国に住んでいた人でな。 仕事で日本に短期間きている時に知り合って 帰国する時についていったんだ」 お袋さんか・・・ うん、柊理は母親と2人暮らしだったな。 仕事で帰りが遅いから だから兄貴と一緒にうちに遊びに来てたし 父さんがサッカーの練習が終わった柊理に 餃子を腹いっぱい食べさせていたのを思い出した。 「いつ日本に戻ってきたの? もうこっちで暮らしてるんでしょ?」 「いや。ずっと向こうで暮らしてたよ。 今回は飛鳥の事故の話をダチに教えてもらって 戻って来た」 「へえ・・・」 日本に戻る時に 恋人も一緒に連れて来たんだ。 返事をしながら、昨日見た イチャつきカップルの片割れも思い出した。
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