時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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飛羽がどんな状態でも 会社は普通に稼働している。 いつものように課長も部署を出たり入ったり。 飛羽も元気にとはいかなくても 自分の仕事を進めていると 「あ?課長はいない?」 「お疲れ様です曽根さん。 課長は今は・・・トイレかな?」 そう言えば出て行くときに なにも言ってなかった。 そう言う時はたいていトイレが多い。 「じゃあ待ってるか」 「どうぞ」 同じ秘書室の同僚なら お茶を淹れることもあるまい。 淹れた事なんて一度もないけど。 任された報告書の清書を作ってると ヒマなのか曽根さんが話しかけて来た。 「下痢か?」 「はぁー?」 話しかけたんじゃない バカにしてるんだ。 「顔色、自分で気が付かないか?」 「え?・・・・・・」 違った。 飛羽が今気持ちが乱されていることを 気が付いてるんだ。
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