時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「あはは。そっかそっか。 じゃあ俺が本を出したらお前が一番に読めな」 「本なんて読まないですよ。 なら漫画にしてくださいね」 あはは、と笑っていると トイレから課長が戻って来た。 満足そうに曽根さんが課長に話しかけている。 笑顔で課長と打ち合わせをする曽根さんを パソコンの画面越しに眺めた。 飛羽を揶揄いながらも 元気が戻るように誘導してくれた。 いつもの曽根さんとの会話のようでも そうでもないのに気が付いた。 揶揄う言葉が優しかった。 なにがあったのかは知らなくても 彼なりに励ましてくれたと思ってもいいかも。 やるじゃないか、曽根大介。 格好つけマンだと思ってたけど 人間らしい部分もちゃんとあるんだ。 上から目線で飛羽は曽根さんを批評した。
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