1967人が本棚に入れています
本棚に追加
「満里恵は柊理のこと覚えてた?」
「私?ううん、覚えてない。
だって私の場合は接点がなかったはずだもん」
「そうか・・・」
飛羽とは兄貴を介しての付き合いがあったし
父が柊理を可愛がっていたから接点があった。
7歳も年が離れていると
学校が被ることもない事で
近所にいるお兄さんで知ってるくらいか。
「店を再び開けることも諦めさせて
家からも追い出さなきゃとは思ってるんだけどさ」
「できないんでしょ?」
「・・・・・・うん」
満里恵だって柊理の彼女の気持ちが
痛いほどよくわかるから飛羽を嗾けてこない。
彼女の立場からしたら
今の彼氏の環境が気に入らないのもわかってる。
彼氏がいない飛羽にだってわかるもん。
満里恵の苦しむ姿を見て来たから。
だから奪おうなんて気持ちもない。
返さなきゃと思ってはいるんだけど
「やっぱり独りになりたくなくって・・・」
それで柊理を手放せないでいた。
最初のコメントを投稿しよう!