時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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食事を終えて待ち合わせした駅に戻って来た。 「ありがとう。話しを聞いてくれて」 「聞くだけしかできなかったけどね」 「ううん。話しができただけで良かった」 自虐的に笑う満里恵に飛羽は本心を告げた。 誰にも打ち明けられなかった間は ひとりで悶々とした感情を燻らせていた。 満里恵に告白した今は スッキリとまではいかないけど気分が晴れた。 「じゃあね」 「あまり深く考えるなよ。 私も遼に相談してみるから」 今は実家を出て会社の寮に入ってる満里恵とは 帰る路線が違うために駅で別れた。 遼クンもご実家に住んでいる。 お祖父ちゃんの会社に入ったことで この先跡を継ぐこともあって仕事も忙しそう。 この先の話は聞いてはいないけど おそらく結婚も視野に入れているはずだ。 遼クンの性格なら容易に想像できた。
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