時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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乗換駅でバッタリと遼クンに会った。 「飛羽、今帰りか?」 「あれ?遼クンだ。 うん、今さっき満里恵と別れたところ」 まだ仕事中の様子の遼クン。 仕事用のバッグを持って改札を出て来た。 「俺ももう直帰するところだったんだ。 どうした?顔色悪いな」 「ははは・・・すぐバレちゃうんだね」 誰にも彼にもすぐバレで笑うしかないや。 明日にでも北条さんか縁さんに 化粧で誤魔化す術を学んで来よう。 「送ってってやるよ」 「いいよ。遠回りになるじゃん」 ここから都会を離れる電車の飛羽と 遼クンは都心に向かう電車だ。 「いいから。ほら行くぞ」 「あ、・・・・ありがとう」 素直に送ってもらうことにした。 遼クンの優しさが、今は嬉しかったから。
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