時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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駅に着いたけど 家までちゃんと送ってくれるって。 もしかして満里恵の差し金か? 珍しく弱った姿を見せた飛羽を心配したかも。 「俺らの担任だったロバート先生、 来年一度向こうに戻るらしいよ」 「アメリカに?」 「そう。といってもまた戻って来るけどな」 「そうか」 私立の高校に通っていた飛羽達。 3年の時の担任の先生がアメリカ人のロバート先生。 若いころからずっと日本に住まわれて 日本人の奥さんを貰って教師免許も取得し 日本で骨をうずめる覚悟だと教えてもらった。 「戻る前に一度みんなと会いに行きたいね」 「行こうよ。すぐ戻るとは言ってても いろんな手続きが終わってからだろうし。 何年後になるかわからないしな」 「うん。みんなに連絡回しとく」 クラス替えの無かった学校の為 高校3年間ずっと同じ仲間だった。 声をかければすぐに集まれる。 そんな仲の良いクラスメートに会いたくなった。
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