時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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駅から商店街を通って帰宅している。 この時間では閉まってる店が多い。 田舎町だから閉店時間も早い。 でも地域同士では仲が良くて 産まれる前の飛羽のことも知ってるから 就職してもここを離れる気持ちにはなれなかった。 「飛羽?」 家までもう少しという場所で名前を呼ばれた。 遼クンと一緒に振り返ると そこにはコンビニ袋を手に持つ柊理がいた。 「柊理・・・・ただいま」 「おかえり」 タタッと短い距離を柊理が駆けて来た。 飛羽と並ぶ遼クンの正面に立つと 遼クンの方からも柊理に声をかけた。 「どうも、2度目ですね。 飛羽さんとは高校の時の同級生で佐伯遼です」 「あ、どうも。 飛羽の兄貴と同級生だった東条柊理です。 送ってもらったようで、ありがとう」 一種、何とも言い難い空気が流れてる。 何だろ。 遼クンはいつものように几帳面に挨拶したが 柊理もなんだか畏まったように応えてる。 異様な雰囲気を感じた。
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