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柊理と飛羽が歩き出したのを
路上で停まっていた車の中から
顔をしかめて見ている女がいた。
柊理を返してと飛羽に告げた女だ。
後部座席に座った彼女に
運転席に座るスーツ姿の男が話しかけた。
「そろそろお戻りになりませんと」
「うるさいっ!私に指図するなっ!」
「もっ、申し訳ありません」
夜だと言うのにサングラスをかけた男は
自分よりもだいぶ年下の女に怒鳴られた。
ムカついてはいるだろうが
顔には出さずにすぐに謝罪をした。
すでに2人は車を通り過ぎて行った。
その後ろ姿を窓に頬を付けるほどくっついて
見えなくなるまで女は見送った。
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