時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「ただいまぁー」 「先に飛鳥に線香あげに行け。 お前今朝あげてないんだから」 「あ、忘れてた」 でへへ、と照れ笑いを見せる飛羽。 自分で一杯いっぱいで 兄貴の存在も忘れちゃってた。 柊理もそれ以上何も言わず 照れる飛羽に笑顔を向けながら キッチンに向かって行った。 途中で和室に入った飛羽は お仏壇の花が新しくなってるのに気が付いた。 唯一の身内の飛羽がやらなきゃいけないのに 自分のことばかりで何もしない。 でも柊理が代わりにやってくれ お仏壇もいつでもキレイな状態を維持している。 柊理がいなくなった後は 飛羽が自分でやらなきゃなんだな。 お仏壇に手を合わせながら 改めてそこに気が付いた。
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