時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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ドキドキ・・・ 今の飛羽の心境は 初めて作った賄いを親方に試食してもらい 味の評価を待つ弟子の気分。 味の保証はバッチリだ。 だって兄貴が仕込んだんだもん。 飛羽は焼いただけ。 それだけでも・・・・き、緊張する。 モグモグと、無言で食べ続けるだけの柊理。 なんかひと言でも言ってくれれば 飛羽もこんなに緊張する事もないのに。 とうとう6個焼いたうちの5個目を食べ終わり 箸を止めずに最後の1つをつまみ 口の中に放り込むとき やっと見つめていた飛羽と目を合わせた。 何か言ってくれるか? 期待を持って目を逸らさず見つめているが 「・・・・・・・・」 聞こえるのは 柊理が咀嚼する音だけだった。
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