1967人が本棚に入れています
本棚に追加
/1668ページ
食べ終わって箸を置くのを見やり
心の中でガックリと項垂れた。
知らずに身体中に力を入れていたようで
緊張が解けると身体の強張りも緩んだ。
気が付かれないようにそっと
ふぅーと細く息を吐き出していると
「うん。おっちゃんの味と同じだな」
「・・・・・・へ?あ、・・・ああ、そうだね」
欲しかった評価を貰った時には拍子抜け。
今ごろかよ、飛羽は心の中で突っ込んだ。
「ここ、本当に店を閉めるのか?」
「仕方がないから閉めるよ。
私も会社勤めをしているし、
味を引き継ぐ自信もないからね」
食べ終わったお皿や小皿を下げようと
柊理の後ろに回り込む飛羽に
「俺が、ここを継いでもいいか?」
「・・・・・・・・」
テーブルに伸ばした飛羽の手が止まった。
最初のコメントを投稿しよう!