時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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___________ _________ _______ つい2日前までは 人でごった返すほどのお客さんで溢れ この家の中が騒然としていたのに・・・ 「だいぶ・・・ 誰もいなくなって静かになったね」 「そうだね・・・・ これからはずっとこんな感じかなー」 リビングにはこの家の唯一の主民となった飛羽(とわ)と 小学校からの親友、満里恵(まりえ)の2人っきり。 「この家に来て 餃子以外のニオイを嗅ぐ日が来るとはね」 「あは。餃子のニオイしてたんだ」 「まあねー。でも私は好きだったけどね」 「・・・サンキュ」 満里恵の言葉がうれしかった。 飛羽の実家は、もともとは中華屋だった。 跡を継いだ父の代の時に 一番の人気商品だった餃子オンリーに変えた。 近所に飲食店が多くなったことで 争いを嫌った父が 専門店へと変えてしまったのだ。
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