時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「俺が飛鳥の無念を晴らしてやらないと 誰が晴らすんだよ」 「無念に感じてないかもしれ・・」 「無念に決まってるだろうが! それとも何か? 飛鳥はこの店を嫌々やってたか?」 「やってないけど・・・・・」 最近の兄貴のことなんて 海外暮らしの柊理にわかるわけないのに 変に自信満々な態度で違和感を覚えた。 「でも無理だよ」 「・・・・何がだよ」 飛羽に勝ったと高揚感でも感じてたのか 満足そうに今度は柊理が腕を組んでるが 飛羽のひと言にブスくれた。 「父さんが切り盛りしていたころと違って 今は経営が下降してってるの」 「・・・・・・・・」 「売り上げと言ったら常連くらい。 それだって昔ながらの常連じゃなくて ひとり暮らしの男ばかり」 「・・・・・・・・・」 話しを区切りながら柊理を見れば 唖然とした様子で飛羽を見ている。
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