時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「とてもじゃないけど 柊理を雇うだけのお金はないんだよ」 「・・・・・・俺を?」 自分の顔を指差しながら問うから そう、と大きく肯いてやった。 「悪いことは言わないから 早いところ向こうに戻りな。 今まで勤めていた会社だかで頑張って 兄貴を安心させてやっておくれ」 「無理だ」 「・・・・・・・は?」 今度は飛羽が柊理に断られた。 「向こうで働いていたところは辞めて来た。 こっちで仕事をして生活する覚悟で 今回、日本に戻ってきたんだ」 「自分勝手な・・・・」 生活の基盤を日本に移すのは それは柊理の勝手で飛羽には関係がないけど 兄貴の店をアテにしないで欲しい。 叶えてあげられるお願いと 叶えられないお願いがある。 今回はどう考えても 柊理のお願いは引き受けることは無理だ。
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