時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「いい考えだろ?」 満足げに飛羽を見て来る柊理に 般若のお面を被った飛羽は 「バカじゃないの? ここには私だけになったの。 あんたに兄貴の部屋を貸せるわけないじゃん」 くわぁーっと大口を開けて 威嚇するように一気に叫んでやったのに 「お前こそバカだろ。 女の一人暮らしになるんだから なお更俺が一緒の方が安心できるだろうが」 「・・・・・・・・・」 それもそうだな、と 飛羽の心が揺れて行く。 流されちゃダメだとわかってても 葬儀が終わって昨日から本当にひとりっきり。 それが少し淋しいと感じてたし 誰もいないこの家で過ごすのが嫌だとも思ってた。 心の隙を突かれたように 飛羽の感情が揺れ動いていく。
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