時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「遼クンが来てくれてる時にさ」 届いたお酒をひと口含ませてから やっと落ち着いて説明を始めた。 「ちょうど帰る時に来たのが 満里恵は覚えてるかな? 兄貴と仲の良かった柊理!」 「シュリ?・・・・・女?」 飛羽の質問に答えてくれたが まったくの見当違いな返答だ。 まあね、柊理って訊くと 女の名前だと勘違いするわな。 「ほら。私らが幼稚園の時にさ 兄貴とサッカーを一緒にやってた・・・」 「ああー!思い出した。 顔は思い出せないけど、あの人でしょ? 飛羽んちの餃子をいつもただ食いしていた」 「ははっ!そうだったね」 正式にはただ食いではなく 父さんが無理やり食わせてたんだけど。 小さかった満里恵から見たら 柊理がただ食いしていたように見えてたんだ。
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