時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「なんて答えたのさ」 「即刻拒否らせていただきました」 「そうだよね。 いくら兄貴の親友でもさ、 男と女だよ。ひとつ屋根の下って・・・」 最後は呆れた口調で言葉を濁された。 誰が聞いたってそう思うだろう。 小さいころからの知り合いと言ったって 途中で音信不通の期間の方が長い。 ましてや飛羽は柊理のことを忘れてて ほぼ、今日が初めましての状況と同じだ。 「まあさ、あっちは恋人も連れて来てたし 私のことなんて妹感覚だと思うけどさ」 「恋人?なに、女連れで帰ってきたの?」 「うん。昨日満里恵を送ってった帰りにさ イチャコラしてるシーンを見ちゃった」 「ひぇー!こんな田舎でイチャつくなよ。 見られてたら街中のゴシップもんだぞ」 満里恵は心底嫌そうに言う。 街中でカップルがイチャついているのが 人生で一番いやなんだそうだ。
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