時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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頭からすっぽりとタオルを被って キッチンに入って行き 鼻を上に向けてニオイを嗅いだ。 「んーっ、いいニオイ」 何のニオイだろう? わかんないけど美味しそうなニオイだ。 飛羽のお腹がクゥーッと鳴り出した。 「何をやってんだ、お前は。 ビッショリじゃねえか」 「平気だよ、こんなの。 すぐに乾くよ」 柊理が手を伸ばして 頭にかぶったタオルを奪おうとするから 身を挺してそれを阻止。 「服も濡れてる!着替えて来い」 「いいよー。もうお腹が空いた。 ごっはん!ごっはん!!」 「ガキか、お前は」 テーブル席に腰を下ろして メシコールを叫ぶと笑われた。 諦めた柊理が飛羽のお茶碗としゃもじを持ち 炊飯ジャーのふたを開けると プーンと醤油のいいニオイがキッチンに漂った。
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