時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「炊き込みご飯のニオイだー」 「そう。野菜をたくさん摂るためには ご飯に混ぜちゃうのが一番だ。 手っ取り早く多く摂取できる」 「ふーん。お母さんみたいだね」 「ふざけんな。お父さんと呼べ」 「あはは!そっちかよ」 不貞腐れたけど飛羽が笑うと 柊理も一緒になって笑ってる。 ほら、と飛羽の前にお茶碗を置いてくれ 即刻箸を握りしめ 「いっただっきまーす」 「召し上がれ。 なんだ、もう頭痛も収まってるようだな」 「うん。完全じゃないけど我慢できる痛さ。 ・・・・・・・・・・うんまっ!」 ひと口豪快に放り込むと 飛羽の顔がクシャッとほころんだ。 クスッと笑った柊理は 温め直したお味噌汁をよそい 「ほら、熱いからな。 フーフーして食べろよ」 「ふぁー」 飛羽のことは完全に子供扱いだ。
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