時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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葬儀の時の支払いをするために 満里恵を送りながら 飛羽も駅前まで一緒に出て来た。 途中で満里恵と別れると ツケで買わせてもらった 近所の酒屋で支払いを済ませ出て来ると 「うわ・・・・。街中でイチャつくなよ」 酒屋と隣りの民家との間のわき道で 男女がぴったりと身体をくっつけている。 夕暮れ過ぎでシルエットでしか見えずも 民家の家の灯りで背の高い男の顔は見えた。 へえ。結構イケてる顔してる。 女の方の顔が見えないが 日本人ではないのはわかった。 外人特有のカップルのスキンシップ。 外国では見慣れた光景でも ここは日本だ。飛羽は見慣れてはいない。 目撃者の飛羽の方が赤面して来ちゃった。 盗み見ていると思われないように さっさと立ち去ろう。 クルッと踵を返して 飛羽は来た道を再び駆け足で戻った。
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