時東《ときとう》飛羽《とわ》編

41/313

1966人が本棚に入れています
本棚に追加
/1668ページ
「ああ。俺、感動しちゃったぞ。 だから俺が店を継ぐからって話したら お前がじゃあ家に住み込んでいいって・・・」 「ちょっと待ったぁ! そこは酔っ払いの戯言だと思え!」 「バカ野郎!そこが一番肝心だ。 すでに賃貸契約は結んだんだ、諦めろ」 何もなくなってキレイに拭かれたテーブルに 手書きで書かれた「貸賃けーやく書」なる紙が バーンと置かれた。 手に持って真剣に目を文字に走らせる飛羽は 「これは無効だ。 私のサインがしていないし そもそも賃貸じゃなく貸賃(たいちん)になってる。 日本にいなかったから漢字がダメになったな」 「・・・・・・・・・」 バシッと紙が千切れるほど乱暴に 飛羽からけーやく書を奪い取った柊理は 間違いに気が付いたのか 「あはは。顔が真っ赤だぞ」 恥ずかしそうに顔を赤くする柊理に お返ししてやった。
/1668ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1966人が本棚に入れています
本棚に追加