時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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ご機嫌な様子に違和感が湧くが 気になることがひとつ。 「そう言えば柊理さ」 「あぁーん?」 話しかけると顔だけ振り返るが 茶碗をゆすぐ水も手もそのまんま。 「昨夜はどこに泊まったの?」 飛羽を迎えに来たあとは こいつはどこで寝たのだろう。 どうでもいいようなことだが 彼女がいるホテルかマンションなのか そこは知らないけど そっちに帰ったのだろうか。 「飛鳥の部屋で寝たぞ」 「はぁぁぁぁぁ? あんた!もうすでに泊ってるじゃん!」 答えが思ったのと違った。 住ませろ問題も解決する前に こいつ、ちゃっかり泊まってやがんの。 「仕方がないだろ? 俺はここの鍵を持ってねえんだし。 どうやって帰れって言うんだよ」 「・・・・・・ちっ」 その通りのことで言い返すこともできなかった。
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